日本独自による24BITMASTERINGでございますが、更には音質のグレードアップとして「ルビジウム・アトミック・マスタリング」を採用するという凝ったものとなっており、非常に良心的な音質となっております。
(但し、そもそもが”デモ録音”。録音としては貧弱なものだった模様でモノラル的な音質/疑似ステレオ感という感がございますので............極力、作品自体を弄る事なく音質を上げるための工夫ではなかろうか?と............)
内容は言わずもがな。ラインアップはRoger Nichols(P、Key、G、B、B-Vo)、Paul Williams(Vo)による多重録音もののデモ録音でございます。
但し、”Drifter”等にポピュラー系名セッション・ミュージシャンとして知られる
Hal Braine(Ds、Simon & Garfunkel等)、Joe Osborn(B、Simon & Garfunkel、America等)の参加がございます(リズム隊としての参加の感がございます)。
分野違いの両人(
そもそも
Paul Williamsは俳優業.......後に通受け映画
”Phantom Of The Paradise”に出演。サントラ作も手掛けますが........)がひょんな事から出会い、作曲コンビを組んだ事から始まるものでございます。
非常に馬が合った模様で驚くべき創作力を発揮。その作曲コンビを売り込むために出版会社がデモ制作を促し、”業界向けのみ”にリリースしたという曰くのある作品でございます(かのSteely Danも似た様な経緯がございますが............)。
そもそも作品としてリリースした訳ではない事がミソでございます。
そもそも職業ソングライターとしての経歴や音造りから、代表的なS & SWであるCarole Kingのかの大傑作”Tapestry””Music”(これらもデモ感のある音造りでございますが........)等々を思い浮かべる感がございます。
但し、歌詞に重きを置き、(
素朴さを伴う)
自己の作品としての確固とした
音楽性のCarole Kingに対して、(似た経歴やS & SW系の音楽性とは言えど)歌のメロディ感覚を代表に華やかさやメロディの巧みさ、
抒情性・ポピュラー感
にも重きを置き、如何なるアレンジにも対応可能な感のある音楽性が大きく異なる所。
かのカーペンターズや
モンキーズ、
スリー・ドッグ・ナイト、高野寛(プログレ/テクノ絡みの才人でございますが.......名手Tony Levin参加の秀悦なカバー楽曲”Drifter”は聴きものでございます.......
シングルや特殊ベスト盤、リマスター再発盤のみ収録)等々と多彩な面々に取り上げられた事からも、S & SWに収まらない音楽性やメロディ感覚がお分かりになられると存じます。
公式発売にあたり、敢えて作品としてリミックスしなかった事もこの作品のミソ。
元ネタ集とも言えますが、
加工前のデモや原曲としての魅力を新鮮に感じてほしいとの意思がアーティスト側にある感がございます。
但し、如何なるアレンジが可能という原曲であっても作曲者としての主観が感じられるものでございます............................................
現在では入手が困難。この機会に是非。
注:発送方法は変更になる場合がございます。宜しく御願い致します。