20240501 - 1922年 フランス領インドシナ 漢字地名入り地方局(POSTE RURALE)「助變」印押しフランス宛エンタイア
*実際の漢字は「助」の下に「市」と、「變」にさんずいとウ冠
北部仏印(トンキン)で使用された漢字入り地方(ルーラル)消印が押されて差出されフランスに送られたカバーです
ハノイの近郊 HADONG郵便局の「地方局」扱いとなっている「助變(チョーベン)」局差出で、同局引き受け時この漢字地名入り郵便印で押印後、まずは近郊の VANDINH(ヴァンディン)の正規郵便局に運ばれそこで中継引き受けの日付印が押されています
その後本局であるHADONG局に運ばれて、そこで日付印が押されたのちハノイ経由でフランスまで配送されました
仏領インドシナの地方印は、同地の地名がかつてはすべて漢字表記されていたことをあらためて思い起こさせてくれる興味深いアイテムだと思います
同様の「地方局印」でもカンボジアエリアなどでは漢字表記が無かったため、現在のベトナムエリア(トンキン・アンナン・コーチシナ)の漢字入り地方局印収集は、その希少性と合わせて人気ある収集対象となっています
この手紙の受取人(フランス人)も、当時エキゾチックな印象を受けたかもしれません
POSTE RURALE PROVINCE CHO BEN (助變~チョーベン)- 黒印
VANDINH 4 NOV 22 TONKIN 中継引受印
HA-DONG 5 NOV 22 TONKIN 引受印
HANOI 5 NOV 22 TONKIN 中継印
その後ハイフォン~マルセイユを経由してスランスのピュイ=ド=ドーム県へ配送
Yvert #48(25c)単貼
*状態は悪くありませんが、封筒に若干のシワと貼付け切手の角目打ちが少し短くなっていますので画像にて確認願います
こうした地方印は、本品のように引受時に切手抹消用に使われる場合と、あくまで引受印として封筒に押されたうえで切手は本局の日付入り郵便印で抹消される場合とがあり、それぞれの局により対応が異なっていたようです