このコインのメインモチーフとなっているオスカル2世は、
スゥエーデン国王(在位:1872年 - 1907年)であり、
ノルウェー国王(在位:1872年 - 1905年)でもありました。
もともとノルウェーは、同君連合(複数の君主国の君主が同一人物である状態・体制のこと)
下に有ったのですが、オスカー2世時代?に独立しました。
この時代?の最大の出来事は、ノーベルによるノーベル賞の設立です(1901年=このコインが発行された年です)。
この世界的な賞の設立は、このオスカル2世の理解を得て、スウェーデン・アカデミーとして
国王の儀礼となり、スウェーデン王国の栄誉と国威を大いに高めました。
ではコインを見ていきましょう。
表面デザインは、オスカル2世、顔は向かって右を向いており、星の間の下に
発行年が刻印されています。
周りのレタリングは、「OSCAR II SVERIGES OCH NORGES KONUNG」。
意味は、「オスカー 2 世、スウェーデンおよびノルウェー国王」です。
裏面デザインは、王冠をかぶったマント内側に王室の紋章が有ります。
上部に王室のモットー、下部に額面「10クローナ」が描かれています。
上部の刻印は「BRDRAFOLKENS VL」意味は
「兄弟民族の福祉」です。
紋章の右下に小さくストックホルム造幣局のミントマーク、「EB」と表記されています。
そして、この個体で何よりも注目して欲しいのが、
「MS66鑑定」であることですね。
単純に見ても「MS66」なので「高鑑定」の部類に入ると思いますが、
調べてみますと…過去のヤフオク落札履歴でこのコインの最高鑑定は「MS65+」です。
なのでこの個体は「ヤフオク史上最高鑑定品」となります。
その鑑定数字通り非常に綺麗な個体です。
画像で確認できると思いますが、光沢も非常に良い状態で金色に輝いています。
またNGCサイトで確認すると・・・
上位鑑定は59枚しかありません。
その中の最高が「MS67+」ですので、
第4番目に位置するグレードです(MS67+、MS67、MS66+、そしてこのMS66の順です)
同鑑定のMS66だけをピックアップしても、、、
この世の中に176枚しかありません。
「ナチスの侵攻から逃れた幸運の金貨」とも呼ばれており海外を中心に非常に人気の高いコインです。
そうでなくとも「金貨」です。
同コインの同鑑定でこのお値段はお安い部類に入ると思います。
また、
ご存知の方には言わずもがなですが、
このコインはスウェーデンの隣国、ノルウェーにナチスが侵攻した際に、
金貨の押収(略奪)があり、ナチスが北欧各国の国力を下げるために、このコインのかなりの量は溶解されてしまいました。
しかし、その一部の金貨はナチスの魔の手を逃れるために船に乗せられ遠方へ旅立ったり、
入念に探索されたりしても見つからないような場所に隠されていたんですね。
「現存している」と言うことは、それらまたは何らかの方法でナチスの略奪から逃れた一枚となります。
「幸運の金貨」と呼ばれる所以がそこにあります。
歴史的にも非常に価値のある一枚となっております。
※鑑定枚数詳細に関してはこちらでご確認いただけます。