当機種は、昔のフラッグシップ "SRM-T1" が源流で
以降、SRM-T1S~SRM-006t とモデルチェンジを経て、熟成を重ねてきました。
真空管という、古臭いデバイスを敢えて採用し続けてきたのには、それ相当の理由がございます。
同社のドライバーアンプの中では、中核となってきたレンジ層の製品でございます。
スタックスの現行品では、
SRM-500T=132,000円 がそれに該当致します。
初段にローノイズFET、出力段には双三極 真空管を用いた ハイブリッド 2段構成で
スタックスの伝統である、A級動作/バランス増幅/DCアンプといった内容は
このモデルにおいても、脈々と継承されております。
経験則から申し上げるならば、真空管の劣化を気にされる方が多いのですが
過度に心配しなくてもいいのではないかと考えております。
当方はSTAXのドライバーアンプのほとんどを一度は所有してみたことがありますが
真空管を搭載した機種で、球の不具合で不調になったことは、一度もございません。
当機種のキーパーツである終段の真空管には、現行品=ロシア製 Electro-Harmonix
(エレクトロ ハーモニックス)の球が採用されております。
当機種は、SRM-006tのモデルチェンジ版にあたるわけですが
大きく改良が進み、非常に内容の濃い 一台になりました。
同時期に登場した "SRM-007tA" と同様のフロントパネルを与えられたことで
外観デザインの高級感が、格段に増しましたし
内部も相当 手が加えられ、回路やパーツの大幅な見直しや
真空管のヒーター電源が、ショットキーバリアダイオード&大容量ケミコンの
整流回路を用いた低リップルの DC電源に改められたこと。
出力リレーは、各3系統 Lch/Rch とも独立した 6個を装備するなどの
ブラッシュアップが結実したことにより、Fレンジが飛躍的に向上。
(SRM-006t=DC~44,000Hz → SRM-006tA=DC~80,000Hz)
XLR入力も 旧来の3番HOTから、ようやく2番HOTに改められました。
当機種は真空管が採用され、尚且つA級動作させているため、上面の通風孔が大きめに造られています。
そのため、ホコリなどが内部に溜まりやすいので、エアブローし清掃致しました。
酷いものになれば ホコリまみれで、電子パーツが見えなくなるほど こんもりと積もっている場合も多々ございますが
当出品物のホコリの蓄積具合は それほどでもなく、清掃も割合と短時間で済み 綺麗な状態であると思います。
ついでに基盤部を撮影いたしましたので、参考になさってください。